Encephalartos horridusとは



ホリダスについての情報はとても少ないため、海外のサイトなどを参考にしたり、
取引してる南アフリカのコレクターに伺った話を文章にして行きます。
間違った解釈、記載がある場合もございますのでご了承ください。
皆様から頂いた貴重なご意見も参考とさせて頂き充実したサイトにして行きたいと思っています。
何卒よろしくお願いいたします。

ソテツ(蘇鉄)は恐竜時代から生息して進化をしない原始的な植物である。
日本でも九州地方を中心に分布して沖縄などで見かける事が多い。


日本で多くみられる、一般的な蘇鉄は葉が緑で縦に伸びた幹が特徴的でパイナップルのような容姿。


19世紀の浮世絵に描かれたソテツ
(広重『東海道五十三次』より赤坂宿)

Encephalartos horridusは古典的な南アフリカのブルーソテツ、その外観はソテツ界でもめずらしい鋭い棘を持った立体的な葉が特徴的でとても固くまるで彫刻のようである。大きく成長しすぎないのも特徴である。




葉のフォルムはまさに自然が生んだ芸術、一度硬化した葉は長い時間その容姿を保っているため、
新しい葉ができて固まるまでの時間は神経を使う。

日本:ザミア科オニソテツ属 ヒメオニソテツ(姫鬼蘇鉄)

学名:Encephalartos horridus属

原産地:南アフリカ 東ケープ州


常緑低木
Encephalartos属はアフリカを中心に約63種ぐらい確認されているが正確な数は記されていない。
Encephalartosはギリシャ語「頭上のパン」の意味、幹の頂部に含まれる澱粉でパンを作る所からきています。

絶滅種:
ワシントン条約Ⅰ類の貴重種に登録させてるので輸出、輸入にはCITES(南アフリカ国輸出許可証)及び日本国輸入許可書が必要(所持に※ソテツ類は登録票は必要ありません。)なお南アフリカから輸出できる幹のサイズは限定されてる為、(15cm以内位?)日本国内にある大きな幹のものは国内にきてから成長したものと考えられる。

名前:
Encephalartos horridus の日本での呼ばれ方
エンケファラルトス・ホリダス
エンセファラトス・ホリダス
エンケファラルトス・ホリダス など
姫鬼蘇鉄とも呼ばれているがホリダス以外のlehmannii、trispinosusもそう呼ばれる。

呼び名について:
名前の由来ラテン語で「ホッリドゥス[ horridus]」=「逆毛立つ,ゾッとする,恐ろしい」
姫鬼蘇鉄日本名の姫鬼は小さな短幹(姫)鋭く尖った葉(鬼)からその名になったとか、
自分的にはその容姿から勝手に青龍蘇鉄と呼んでいます。
フランスの植物学者NJ Jacquinによって1801年にザミアhorridaとして記述されていた
その後、1834年植物学者Johann Georg Christian Lehmannによって変更属Encephalartosとその性別に変更された。

分布:
生息地は南アフリカ原産の東ケープ州(ポートエリザベスとオイテンハーク地区)乾燥した亜熱帯気候帯の岩の尾根に生育する、砂漠地域で温帯、夏場は40℃を超える冬は穏やか涼しい、年間降水量は250~600ミリメートル平均、霜の降りない地域です。特徴的なブルーの葉は強い太陽の下で成長したときに植物は真っ青になり、反対に日陰にだとブルーにはならず緑になることが多い。

育て方:
世話をするのは比較的簡単です、強い光を好みます、水はけの良い土に植え、春から夏は水を枯らさない様に頻繁にやり、秋から冬は水を控えめにする。成長は遅い、生息地が気温差がある地域なので温度差にも強い、ただ氷点下数度の霜に弱いので注意が必要。東京都内近郊で地植えをしている方から冬越えをした報告があります。Encephalartos属の中でもhorridusは特に強いよいです。
ただし、小さな幹のものは夏期でも加湿に注意しないと根を腐らせる原因になりやすいので注意が必要。

Horridaの雄と雌:
E. horridusは、雄と雌がりあります、球果や "コーン"を形成することにより再現します。20〜30年経過したホリダスがコーンをつくる。これらは幹の頂部の外に出てくるの生殖構造になっています。
雌のコーンは厚く大きくパイナップルのようで色は黄褐色または褐色の間、反対に雄は薄く長いトウモロコシの穂軸ようで色は濃茶色です。一度に5個のコーンをつける場合もある、5年間に2回位の割合でコーンをつける。生息地の受粉は通常、昆虫や甲虫によって達成されますが、日本にはその昆虫等がいない為に受粉は困難である。コーンの寿命は通常3~6ヶ月です、受粉された雌のコーンは、植物の種子が成熟しながら成長していきます。雄と雌の見分け方について、明記させてる情報が少ないが、子株を生むものが雌とされてると聞いている。その他の方法はコーンができないと見分けることができない。

葉の特徴:
鋭利なと棘があり、独特のうねりがあり、成長した葉はとても固い。
青ソテツと言われるだけあり、他の緑の植物と写真を撮るとその青さに驚かさせます。
ブルー、シルバーブルーと表現は様々ですが、その青さを引き立てているのが葉の表面を覆っている蝋状のワックス、一部のヤシ(ビスマルキアなど)にも似た質感ですが、時間だ経つにつれ固まって行くようにも感じます、太陽の強い光にあたった葉はよりシルバーブルーになり、太陽にあたらない環境だと葉が緑になって行くようです。光の調整で葉の色も変わって行くところがこの植物のユニークなところでもあります、輸入したての物は葉が深い緑の場合が多いが、これは日陰で管理されてることが多いからのようだ。高価で貴重な植物の為、盗難などの防止でなのであろう。新しい葉は黄緑色、オリーブグリーン、黄色などであるが、完全な葉になると独特なブルーに変化する、時間が経過するとよりシルバー強くなりブロンズ像のような雰囲気になっていく様はまさに自然界の彫刻美術品だ。そのようになった葉は1年以上もその状態を保ち非常に丈夫だ。時間が経過するにあたり、ピンクぽくなり、やがて茶色と変化して枯れてゆく。


■新しい葉は黄色に近い緑■緑になり■青になっていく

葉の棘について:
ホリダスの特徴でもある棘(トゲ)
4種類の形状があります。

■棘が1つの葉と2つの    ■棘が3つの葉        ■棘が4つの葉         ■棘が5つの葉 

上記の4種類の棘付きの葉で構成されていますが、特にパーターンが決まってる訳ではなく
不規則的に並んでいる。
1棘葉が多く見られる場合もあれば、ほとんどない場合もあり。
多いのは2棘葉、3棘葉が場合が多い。
4,5棘葉は大きくなるとない場合もあります。
これら個体により全く違うため基本的なパターンなどがない。
その辺りは今後も追求して行きたいところです。

葉の展開時期:
新しい葉が生える時期や周期、その本数については特に決まりがなくまだ詳しく解明させていないようだ、日本の場合は暖かい時期、6、7、8月だったりすることもあれば9月、10月に展開する場合もある、一年以上、葉を出さない場合もあったりする気まぐれな部分も多いが肥料などバランス良く与えると比較的葉を出す場合があり、幹の大きさなどにもよるが、1本のみの時もあれば一気に20本フラッシュ(展開)することもある。葉が出始めてから2週間程度で葉が開く、その間に葉を曲げてしまったりするとその形のまま直すことができなくなるので注意が必要だ、葉は上に伸びて、アーチを描くように葉先は地面に向かって行く。葉の色は薄いグリーンからオリーブ色にやがてブルーに変化していく。


■新しい葉の展開



■古くなった葉はピンクがかった色になり、茶色に変色して行く


■葉の色を他のシルバー、ブルーと呼ばれる植物と比較してみた。

■ビスマルキアシルバー■ブラヘア•アルマタ■プヤ•セルーレア■サイカス•カイルンシアナ



■アガベ•アテナータ•ハンチントンブルー■ユッカ•ロストラータ■ナンノロプス・リッチアナvarイラン・シルバー

他のシルバーと呼ばれる植物のどれにも似ない独特な色彩が写真でもわかる。

土について:
排水の良い土を好むため、いくつかミックスした土を使ってることが多いようです。
horridus.JPでは富士の砂、赤玉土、軽石、堆肥、炭などをミックスしたオリジナルの用土で育ています。
ミネラルが豊富な砂であれば特に富士でなくても良いです。肥料は、ぼかし肥料などを与えると成長が早いとか、マグネシウム、鉄などの微量元素を配合した物など鉢植えはプラ鉢、陶器鉢、素焼き鉢、などでそれぞれ保水性が違います。horridus.JPは黒いプラ深鉢を使用しています、保水性があり(水やり回数がいらない)、太陽光熱を受けれるなどの多くの利点があります。

水について:
暑い時期は週に2回程度、寒い時期は2~3週間に1回程度を目安にしていますが、環境、置き場所などによっても変わって来ます。特に小さな幹の場合は夏の時期でも湿度になどで根が腐りやすいので注意が必要です。

Horridusの種類

Horridusには3種類の葉の形違いがあります。

■standardタイプのHorridus


一般的なタイプのものです。葉は大きなひねりはない、幹約25cm〜30cmになったたホリダスがコーンをつける。

■Dwarf


葉の広いタイプのものです。スタンダードホリダスに比べて更に、大きくならない種類で最大でも70cm位にしかならない、幹が20cm〜25cmでコーンを作る。別名Broadleafと呼ばれる葉の幅が広いタイプです。ポートエリザベスの周辺領域の限られた地域にのみ生息する。

■Twisters


葉が特徴的な独特のひねりがある。スタンダードもひねるがあるが、この種は非常に極端である。
非常に荒々しいフォルムが特徴でかなりワイルド!でかっこいい。
幹35cmでコーン作り始めるのも特徴。

■三種類を並べてみました。


Twisters Dwarf standard

番外編■Bonsai

これは取引先のM氏と冗談から生まれた造語です。
子株が複数ついて小さくまとまってる容姿が日本の盆栽のようだ
といったことからそう呼んでいます。写真左は7個幹があるもので映画プレデターの宇宙人のようです。

注意*上記はあくまで取引先との通称であり、一般標準的、学術的な見分け方ではありません。
なのでこのHorridus.JP内での呼び名程度とご理解ください。

■ハイブリットについて
HorridusにはEncephalartosの多種とのEncephalartos horridus Hybridが存在します。

その種の独特の癖が出るのが面白い、
これはtrispinosusとのハイブリットは非常に大きい葉が特徴的でかなり迫力がある、
カラーはほとんど変わらない為、見分けるのが難しいが、幹の部分を見れば違いが一目瞭然だ。


下記はarenariusブルーとDwarfのハイブリットの可能性が高い(現在確認中)


現在新しい葉が展開してるので、その葉の形状でわかると思われます。

■ホリダスには種から実生させたものと、幹を掻いたカキコがあります。
一般的には実生したものは成長が早く、丈夫と言われています。
特に日本国内で実生させたものは強いと思われますが、南アフリカから種を輸入できないので、
他の国から種を輸入した物しか国内には存在しないはずではある。
カキコの利点は親の影響を受けるので小さな幹でも大きな葉を展開する。
親幹を傷つけたくないので、掻いた部分が傷後のようになるので見た目に醜い。


カキコしてない状態のホリダス、左は合計5個の幹で形成されている。中はツインヘッド。
右1はカキコの後が残る幹、右2は実生のものなので球体がキレイだ。
horrudus.jpではカキコのならではの個性も気に入ってる。

■病気かな?
ホリダスを育ててると様々なトラブルが起きたりします。

1•resin,樹液?、幹から出てくることがあります。
これは虫など巣ができたときに虫を閉じ込めたり、
傷ができたときに塞ぐ為に出ると言われています。
その他に考えられるのは、水などが多い場合、雨が続いたなど
樹液が出ることがあるようです。


2 葉が落ちた、ある日突然葉が落ちてしまった。
幹がやわらかくなる、現象で根が腐ってる可能性が非常に高い。
小さな幹1〜5cm位は特に注意が必要です。
頻繁に幹を触り固さを確認を心がける、



■柔らかかった場合の対処法としては、
まず、腐った部分を取り除く(切除)
2、3日よく乾かしてから
オキシベロン、ルトールを付けてから土に戻す
20°度以上の環境で水をなるべく控えめに管理
新たな発根を待つ

*この方法が確実なわけではありませんのでご理解ください。

参考文献と謝辞
•Encephalartos 7巻:Encephalartos horridusフォーカス·オン - Maansケンプ
•生息地、男とコーン&リーフ詳細写真 - 博士ピエトフォルスター
•女性コーン - Wバンエーデン
•南アフリカのソテツ社会に特別な感謝www.cycadsociety.org